教養・歴史書評

不安と厭世観が漂う「戦間期」の日中関係=加藤徹

    「戦間期」は重い。第一次世界大戦と第二次世界大戦のはざまの、嵐の前の静けさの時代。第一次大戦が残した問題や、もやもや感、不安と厭世(えんせい)観が漂う。結局、第二次大戦を回避できなかった無念の時代だ。

     譚璐美(たんろみ)著『戦争前夜 魯迅、蒋介石の愛した日本』(新潮社、2300円)は、日本に留学経験をもつ2人の中国人、作家の魯迅(ろじん)(1881~1936)と、軍人政治家の蒋介石(しょうかいせき)(1887~1975)を中心に、戦間期の日本人と中国人の交流を浮き彫りにする。

     魯迅と蒋介石は、道は違うが中国を近代国家に生まれ変わらせようと奮闘した人たちだ。2人が本書のメインだが、その他の日本人の描かれ方も非常に興味深い。柔道家で教育者の嘉納治五郎、国家主義とアジア主義の巨頭であった実業家の頭山満、政治家の犬養毅、上海で魯迅をかくまった内山完造、その他、さまざまな日本人が次々に出てくる。 

    残り515文字(全文914文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    7月21日号

    もう働かなくても大丈夫? ベーシックインカム入門18 Q1 なぜ今、BIの議論が? コロナ禍で覆った「常識」 誰もが困窮する時代に転換 ■市川 明代21 政党に聞く 定額給付金とBI 斉藤鉄夫 公明党幹事長 「国民の理解が『一変』 BI検討が必要な時代」 玉木雄一郎 国民民主党代表 「所得制限は社会 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット