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従来の役割が消えた今だからこそ構造改革=野村ホールディングス 永井浩二グループCEO

    (聞き手=藤枝克治・本誌編集長)

     ビジネス環境が大きく変わって、伝統的な投資銀行のビジネスモデルが崩壊した。つまり主要国の中央銀行が量的緩和やマイナス金利などを導入して金利がほぼゼロの状態が常態化してしまった。こうしたなかで、投資家は運用のために債券の売買をする動機付けがなくなった。我々は自己資本を利用して(レバレッジをかけて)数十兆円のバランスシートを抱えて市場に債券の流動性を供給してきたが、金利がゼロの世界では債券の売買に魅力はなく、業者として我々の役割はなくなった。この変化は当面は戻らないと昨年末あたりに確信した。

     デジタル化の進展によって、人々の行動は大きく変わり、手数料も低下した。また、国内では少子高齢化が進み、人とカネは都会に集中し、顧客も高齢者が中心になった。もはや昔とはまったく違う。

     この数年、我々の収入(収益)は1兆4000億~5000億円あったが、現在は1兆1000億円程度。一方、コストは1兆1500億円程度。収入が今後あまり増えないとすると、このままでは赤字か収支とんとんになってしまう。だから、コストを9000億円台前半まで下げる必要がある。

     これまでの改革は、どのビジネスをやめるとか縮小するという改革が主で、社内の組織構造にはあまり手を付けてこなかった。現在の野村グループは、それぞれの地域ごとにビジネス(事業)部門があるマトリックス(縦横)型の経営体制だが、それだと重複が出てしまう。そこで地域という概念を廃止して、地域横断的なシンプルな組織にしてコスト削減を図る。

    残り1355文字(全文2009文字)

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