週刊エコノミスト Online令和の日本経済大予測

平成に激変した豊かさの尺度 サービスの質に移る幸せの実感=熊野英生

    スマホは消費のあり方を変えた(Bloomberg)
    スマホは消費のあり方を変えた(Bloomberg)

     令和時代の幕が開けた。平成と同じように30年ほど令和が続くとすれば、令和30(2048)年はどんな時代になるのだろうか。

     まず、日本の人口は約2割(17.9%)減っている。その5年後の令和35(2053)年には1億人を切る。国立社会保障・人口問題研究所による17年の推計(出生・死亡とも中位推計)だ。65歳以上の高齢化率は、現在の27%(世界1位)から37.4%に上昇。さらに2050~65年は38%程度で横ばいに推移する。令和30年ごろは高齢化がピークに達して、それが「定常状態」になる。

     こうした人口動態から考えると、消費者数(人口)は減り、労働力も老いていくため、経済成長は期待しにくい。いや、経済衰退リスクは確実に高まる。例えば、全人口の平均年齢は、15年には46.4歳であるが、40年は51.4歳、65年には53.4歳と上がっていく。サラリーマンの年収が55歳ごろをピークにして減少していくモデルを将来30年間維持していると、平均賃金は時間の経過とともに低下することになる。さらに、1人当たりの社会保障負担の増加は可処分所得を押し下げて、1人当たり消費支出は減少するだろう。30年後の日本経済は「停滞が当たり前」になって、世代間の経済格差は広がり、「みんなが幸福」を期待することができない時代になる。

     しかし、政府はこうした経済停滞の未来を描いていない。例えば、「中長期の経済財政に関する試算」(19年1月)では、25~28年度にかけて実質国内総生産(GDP)成長率は平均2.0%(図)、名目GDP成長率は平均3.4%と想定。1人当たりの名目GDPはさらに、平均3.8%と高い伸び率を見込む。こうした仮設値は、将来の財政再建が自然増収の助けによってうまく運ぶように高めの数字を設定しているからだろう。

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