週刊エコノミスト Online挑戦者2019

宮本隆 宮本製作所社長 世界の「洗濯文化」を変える

 洗濯するものと一緒にマグネシウムの粒が入った小袋を洗濯機に入れて回すだけ──。洗剤なしで汚れを落とす「洗たくマグちゃん」シリーズを開発し、ヒット商品に。“洗濯の常識”を大きく変えようとしている。

(聞き手=大堀達也・編集部)

 マグネシウムを使った洗濯の原理はシンプルです。水道水はマグネシウムと混ざり合うと、水素を含んだ弱アルカリ性のイオン水に変わります。この水には油脂を分解する効果があり、皮脂汚れを落とします。分解率は市販の洗剤と同等。洗剤を使った場合に比べ臭いも取り除けるので部屋干ししても臭いません。使用量の目安は洗濯物5キロに対し100グラム。洗たくマグちゃんシリーズは50グラム(1800円)、70グラム(2400円)、100グラム(3600円)の3種で洗濯量に応じて組み合わせます。いずれも約300回使えます。2013年の販売開始から累計販売数が200万個を超えました。

 ただ、販売開始から2年間は鳴かず飛ばず。消費者に「洗剤を入れるのが洗濯」という常識があり、洗剤を使わないことに抵抗があったからです。一方、マグネシウムを使った洗濯には化学物質を一切使用しないという利点があります。アトピー性皮膚炎の子供を持つ母親など、自然由来の食品や製品を推奨する人たちが使ってくれました。オーガニック(有機栽培)を支持する団体などから呼ばれ、マグネシウムで洗濯する効果について全国…

残り1005文字(全文1597文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事