教養・歴史書評

『文化大革命五十年』 評者・田代秀敏

     天皇陛下の代替わりを翌月に控えた2019年4月、「平成最後の……」が連呼され、新元号「令和」の典拠とされた万葉集が書店で売り切れた。このことが示唆する通り、天皇1代に元号一つの「1世1元」を制定した明治維新は、151年後の現在の日本を理解するための必須の手掛かりである。

     同じように、文化大革命(以下、文革)は、その開始から53年、終焉(しゅうえん)から43年後の現在の中国を理解するための必須の手掛かりである。

     満州事変から敗戦までの15年は、「空気の支配」や「無責任の体系」など日本の本質をさらけ出し、その15年の間に確立された国家社会主義的な戦時体制は、戦後も温存されて高度経済成長を支え、今も日本の経済と社会とを呪縛している。

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