教養・歴史書評

『敗者の生命史38億年』 評者・池内了

    著者 稲垣栄洋(静岡大学教授) PHPエディターズ・グループ 1600円

    願わくば自然淘汰説紹介も 有用な生命史豆辞典

     本書は、地球上の生命の38億年の歴史の各節目に、どのような出来事があったかを一つ一つ取り上げ、コンパクトにまとめて生命進化がいかなる道筋かを語ったものである。原核生物として生命が誕生して以来、真核生物、多細胞生物、植物体、酸素の増大、性の分化……というふうに、年代を追って19の項目について生命進化の階梯(かいてい)をわかりやすく記述しており、さしずめ生命史豆辞典として有用である。

     しかし、本書の記述には疑問もある。一つは、生物進化を目的論的に捉えていることだ。例えば、汽水域を棲…

    残り881文字(全文1181文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,000円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    7月30日号

    乗り遅れ厳禁! 移動革命14 企業、業種の垣根を越える MaaSの底知れない破壊力 ■大堀 達也/加藤 結花17 インタビュー 宮岡冴子 モネ・テクノロジーズ企画・渉外部長  「クルマから得られるデータを付加価値に変える」18 Q&Aで学ぶMaaSの基礎知識 ■編集部/監修=阿部 暢仁20 一目で分 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    最新の注目記事

    ザ・マーケット