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週刊エコノミスト Online 学者が斬る・視点争点

岐路に立つ日本的管理会計=高橋賢

目標原価を達成するためには、サプライヤーとの密な協働が必要だ(トヨタ自動車の生産ライン)
目標原価を達成するためには、サプライヤーとの密な協働が必要だ(トヨタ自動車の生産ライン)

企業独自の「ガラパゴス化」

 我が国が世界に誇る高速鉄道、新幹線。単にスピードが速い、ということだけでいえば、世界には新幹線よりも最高速度が速い鉄道はいくつも存在する。日本の新幹線の素晴らしさは、単にスピードが速いというだけではなく、あれだけの本数の列車を定時で運行し、ほとんど事故がないという点にある。これは単に車両の性能がいいから、ということだけで実現しているものではない。綿密なダイヤ編成と運行システム、訓練された運転士、車掌、清掃員などのスタッフ、といったいわばインフラの部分が整備されているから実現できるものである。

 したがって、日本で走っているものと同じ車両を海外に移出しただけでは、日本国内と同じような運行は実現しないであろう。車両を人や貨物を運ぶためのツールであると考えると、ツールだけを移植してもだめで、インフラも込みで導入しないと思ったような効果は上がらないということになる。

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