「捜査報告書」から見えた政府高官らの矜持=古本陽荘
有料記事
全知全能の人間がいない以上、権力を持つ為政者をどうやって監視するか。そのために権力を分散させる仕組みが考えられてきた。
トランプ大統領はビジネスマン出身であり、政治家としての経験も政府高官を務めた経験もなく大統領に就任した。そのこと自体は必ずしも悪いことではない。だが、大統領の権限や憲法についての知識があまりに欠けていることについては、その弊害という面が否定できない。
2016年米大統領選にロシアがどこまで介入し、トランプ大統領の陣営がそれを手助けしていたかを捜査してきたモラー特別検察官が捜査の結果をまとめた報告書が4月18日に公表された。すでに報じられている通り、ロシアとトランプ陣営が共謀した証拠はなかったと結論付けた一方、トランプ氏が捜査を妨害しようとした行為については「犯罪行為があったと認定しないが、罪を犯していないとも認めない」と判断を留保した。
残り909文字(全文1292文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める