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超低金利継続 “幸運の風”に期待する日銀の危うい金融政策=加藤出

インフレ率予想は常に下振れ
インフレ率予想は常に下振れ

 日銀は4月25日の金融政策決定会合で政策金利のフォワードガイダンス(先行き指針)に変更を加えた。従来は「2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定している」としていた。

 それが今回は「少なくとも2020年春ごろまで」は金利水準を維持するとされた。これは微妙な修正だ。というのも、消費税率引き上げの影響を見極めるのに必要な期間を6カ月程度とすれば、実質的には以前の表現と大差ないからだ。日銀もこの変更をフォワードガイダンスの「強化」とは呼ばず「明確化」と名付けている。なぜこのような微修正になったのだろうか。

 日銀は今回、21年度のインフレ率予想を1・6%とした。しかも9人の政策委員のうち5人が下振れリスクが大きいと表明した。過去6年、日銀のインフレ予想は激しく下方修正されてきた(図)。黒田東彦総裁在任中(22年度まで)の2%の目標達成は極めて厳しい。

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