教養・歴史書評

『日本が外資に喰われる』『農学と戦争』『柔軟的思考』『警察庁長官狙撃事件』

『日本が外資に喰われる』 中尾茂夫著 ちくま新書 940円

 バブル崩壊後、不良債権と言えば暗いイメージがつきまとったが、外資から見れば安値で買いたたき、高値で転売できる高収益ビジネスの到来だった。1997年の日本の金融危機とアジア通貨危機の共通点は、各国の老舗企業が次々に外資の手に落ちた「史上最大の資産移転」だったと筆者は分析する。特に先物市場で売りを浴びせ、価格が下がったところで買い戻す手法に世界は翻弄(ほんろう)された。冷徹な政治経済の力学に危機感の薄い日本人に警鐘を鳴らす。(R)

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