書店の万引き対策、新展開へ=永江朗
有料記事
書店の万引き対策が大きく変わろうとしている。
書店にとって万引きは、頭の痛い問題である。書籍・雑誌は利益率が低いので、盗まれるとダメージが大きい。近年はオークションサイトやフリーマーケットのアプリが盗品の換金に利用されているともいわれる。万引き犯を捕まえても、その後がこれまた面倒だ。犯人が子どもなら親か学校に連絡して迎えに来てもらい、大人の場合は警察に通報するという書店が多い。しかし、その間、従業員がつきっきりで対処しなければならず、警察に届けると事情聴取や書類作成に時間を取られる。コミックス1冊を盗まれる経済的損失と、万引き犯を捕まえたことで被る時間的かつ経済的な損失を天秤(てんびん)にかけると、代金だけ払わせて放免するという書店も多かった。だがそれが、窃盗という重大な犯罪であるにもかかわらず、罪の意識が薄く…
残り542文字(全文903文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める