教養・歴史書評

『戦前・戦時期の金融市場 1940年代化する国債・株式マーケット』 評者・板谷敏彦

     本書は金融史研究において米国に比べて取り残された感があった本邦の戦前・戦時期の金融資産価格データを整備し、債券・株式各アセット(資産)のトータルリターン(総合収益)を計測したものである。

     日米欧を問わず、長らく株式の配当利回りは一般に国債利回りよりも高かった。従って歴史上、株価上昇に伴うキャピタルゲイン(資産価値上昇に連動した収益)に配当を加えた株式のトータルリターンは、債券はもちろん、見かけの株価や株価指数の変動よりもかなり大きかったと推定される。しかし、こうした分析には過去の正確なヒストリカル・データが欠かせないのである。

     米国のダウ・ジョーンズ株価指数は日次ベースで1885年2月16日までさかのぼることができる。また配当込みの月次データであればスタンダード・プアーズ総合指数で1871年からデータが整備されている。

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