美術 クリムト展 ウィーンと日本1900=石川健次
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まばゆい“黄金様式”に結実
美の創造に熱狂した生涯に迫る
高価な装身具を身にまとい、恍惚(こうこつ)とした表情で裸身をさらす女性はエロチシズムにあふれ、画面を埋め尽くすほどふんだんに描かれた多様な文様など華やかな装飾性に富む画面はまばゆいばかりだ。19世紀末ウィーンを代表する画家のグスタフ・クリムト(1862~1918)らしさ満載と言っていい。図版の作品だ。
中世以来の城壁と堀を取り壊して環状道路を建設するなど、近代国家の首都として開発が進む一方、憂愁や退廃など世紀末特有の空気も漂う19世紀末から20世紀初頭のウィーンで、時代の先頭に立って芸術の革新にまい進したクリムトが本展の主役である。
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週刊エコノミスト
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