作家にして研究者が描く傲岸不遜なドゴール評伝=本村凌二
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パリに空路で向かえば、シャルル・ドゴール空港に着く。同名の人はもう半世紀前にフランス大統領を辞任し、翌年に逝去した。若者にはその名が実感としてないだろうし、ましてドゴールという人物について知る者はほとんどいない。
それに、同時代人として知る世代にとっても、同国人以外の人々にはドゴールはどうも鼻持ちならぬ人物に思えてならない。なにしろ、「私はフランス」などと大言壮語してはばからないのだ。でも、若いころから自分の意志を曲げない反逆児であり、なにやら一筋縄ではいかない傑物らしい。
佐藤賢一『ドゥ・ゴール』(角川選書、1700円)は、西洋史研究者の経歴をもつ作家の描く歴史人物評伝である。
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週刊エコノミスト
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