テクノロジーエコノミストリポート

サムスン電子、SKハイニックス 韓国半導体2強が10兆円投資 メモリー依存脱却へ変身なるか=服部毅

p76_サムスンがファウンドリー事業の本拠にする華城工場のS3ライン(製造棟、中央)。手前には建設中の最先端ファウンドリー事業のためのEUVリソグラフィー専用製造棟が見える(サムスン電子報道資料より)
p76_サムスンがファウンドリー事業の本拠にする華城工場のS3ライン(製造棟、中央)。手前には建設中の最先端ファウンドリー事業のためのEUVリソグラフィー専用製造棟が見える(サムスン電子報道資料より)

 データを保存するメモリーが中心の韓国の半導体業界が、メモリーバブル崩壊による不況期にもかかわらず戦略的な超巨額の投資計画を発表した。サムスン電子はシステムLSI(大規模集積回路)やファウンドリー(開発・設計者からの受託生産)事業の拡大に約13兆円を投資して、非メモリー事業でもメモリー事業同様に世界一を目指す。一方、SKハイニックスはサムスンに追い付くため、あるいは迫り来る中国勢への参入障壁を高めるために、次世代半導体工場建設へ向けて約12兆円を投じる。

 サムスン電子は4月24日、システムLSI事業やファウンドリー事業で2030年までに総額133兆ウォン(約13兆円)、年平均で11兆ウォン超を投資する長期計画「半導体ビジョン2030」を発表した。同社はDRAM(通電時にデータを一時保存するために使われる半導体)、NANDフラッシュメモリー(データを長期保存可能な半導体)ともに世界シェアトップだが、システムLSIでも30年までに世界トップを目指す。

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