教養・歴史書評

『老舗企業の存続メカニズム 宮大工企業のビジネスシステム』 評者・加護野忠男

    著者 曽根秀一(静岡文化芸術大学准教授) 中央経済社 3800円

    日本が誇る宮大工企業 長寿と技術継承の秘訣分析

     日本の企業は目先の利益よりも長期的な存続を求める傾向が強い。その結果、足元の利益率は欧米と比べて低いが、長寿企業の数は欧米よりも日本が圧倒的に多い。目先の利益のために何をすべきかは分かりやすいが、長寿のための経営の秘訣(ひけつ)は何かは、あまり知られていない。本書はこの疑問に答えようとした地味な調査研究である。取り上げられているのは、長寿の宮大工企業である。

     調査対象となったのは、全国の宮大工企業、なかでも金剛組(578年創業)、竹中工務店(1610年創業…

    残り902文字(全文1188文字)

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