教養・歴史書評

『老舗企業の存続メカニズム 宮大工企業のビジネスシステム』 評者・加護野忠男

     日本の企業は目先の利益よりも長期的な存続を求める傾向が強い。その結果、足元の利益率は欧米と比べて低いが、長寿企業の数は欧米よりも日本が圧倒的に多い。目先の利益のために何をすべきかは分かりやすいが、長寿のための経営の秘訣(ひけつ)は何かは、あまり知られていない。本書はこの疑問に答えようとした地味な調査研究である。取り上げられているのは、長寿の宮大工企業である。

     調査対象となったのは、全国の宮大工企業、なかでも金剛組(578年創業)、竹中工務店(1610年創業)、松井建設(1586年創業)、大彦組(1704年創業)の4企業の歴史である。これらの企業がどのようなビジネスシステムを生み出してきたかが歴史的にに分析されている(ただし著者の研究中に金剛組は存続できなくなり、大手建設会社に救済されることになった)。

    残り832文字(全文1188文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    7月21日号

    もう働かなくても大丈夫? ベーシックインカム入門18 Q1 なぜ今、BIの議論が? コロナ禍で覆った「常識」 誰もが困窮する時代に転換 ■市川 明代21 政党に聞く 定額給付金とBI 斉藤鉄夫 公明党幹事長 「国民の理解が『一変』 BI検討が必要な時代」 玉木雄一郎 国民民主党代表 「所得制限は社会 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット