教養・歴史書評

減収、非正規、貧困化…… ロスジェネ世代の悲劇と闘い=ブレイディみかこ

     以前、NHK「クローズアップ現代+」の「アラフォー・クライシス」の動画をネットで見て衝撃を受けた。その前からロスジェネ世代のことは聞いていたが、23年前から英国在住のわたしにはピンと来なかった。が、あの番組でようやく日本のアラフォー世代の顔が見えた。

    『アラフォー・クライシス 「不遇の世代」に迫る危機』(NHK「クローズアップ現代+」取材班著、新潮社、1400円)には、番組には登場しなかったエピソードや取材班がまとめた課題、番組放送後の反響なども収められている。「胸アツ」という表現があるが、この本の読後の感想は「胸イタ」だ。胸が痛くなった。

     2010年と15年の大卒者・大学院卒者の月収を世代別に比較すると、他の世代はみな5年間で月収が増えているのにロスジェネ世代だけが減っている。特に40歳から44歳の層では、2万3300円も月収が減っていた。いま、日本で最も給与額の変化が大きいのはこの世代で、しかもそれはプラスでなく、マイナスで推移しているのだ。

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