マーケット・金融残る・消える地銀

本業の貸し出し低迷続き 半数超で衰える収益力=岡田英/白鳥達哉

    以下に36~71位
    以下に36~71位

    詳しくはこちら

    以下に72~104位
    以下に72~104位

    詳しくはこちら

    (注)数値は銀行単体ベースで、▲はマイナス。収益力(ROA)は、(コア業務純益÷総資産)×100で計算。表記上は同率でも、小数点第3位以下の大小で順位付けしている。コア業務純益は、一般貸し倒れ引当金繰り入れ前の業務純益から国債等債権損益を引いたもの。総資産とコア業務純益は億円未満は切り捨て。収益力(ROA)は小数点第3位以下、コア業務純益の対前期比は小数点第2位以下を四捨五入。銀行名のカッコ内は親会社でFGはフィナンシャルグループ、HDはホールディングス、FHDはフィナンシャルホールディングスの略。関西アーバン銀行と近畿大阪銀行は4月に合併し、現在は関西みらい銀行。十八銀行は4月にふくおかFGと経営統合(出所)各地銀の2019年3月期決算資料より編集部作成
    (注)数値は銀行単体ベースで、▲はマイナス。収益力(ROA)は、(コア業務純益÷総資産)×100で計算。表記上は同率でも、小数点第3位以下の大小で順位付けしている。コア業務純益は、一般貸し倒れ引当金繰り入れ前の業務純益から国債等債権損益を引いたもの。総資産とコア業務純益は億円未満は切り捨て。収益力(ROA)は小数点第3位以下、コア業務純益の対前期比は小数点第2位以下を四捨五入。銀行名のカッコ内は親会社でFGはフィナンシャルグループ、HDはホールディングス、FHDはフィナンシャルホールディングスの略。関西アーバン銀行と近畿大阪銀行は4月に合併し、現在は関西みらい銀行。十八銀行は4月にふくおかFGと経営統合(出所)各地銀の2019年3月期決算資料より編集部作成

    詳しくはこちら

    「残念な結果になった」。地銀トップの横浜銀行を中核とするコンコルディア・フィナンシャルグループの川村健一社長は5月17日に開いた2019年3月期決算説明会の冒頭から厳しい表情で臨んだ。最終利益が18年3月期に比べ、グループで約18%減、横浜銀単体でも約14%減と大幅減益となったためだ。

     地銀の「稼ぐ力」が落ちている。日銀のマイナス金利政策が長期化する中、収益の柱である貸出金利回りが下がり続けているからだ。本誌は地銀(第二地銀も含む)全104行の19年3月期決算の開示資料を集計。貸し出しや手数料収入といった本業のもうけを示す「コア業務純益」を調べたところ、18年3月期から減少した地銀は半数以上の57行に上った。トップ行の横浜銀でさえ、コア業務純益は27%減と3割近く落ち込んだ。

     金融庁は4月、地域金融機関向けの新たな監督指針案を発表。コア業務純益などを決算期ごとに確認し、収益性の低い地銀には業務改善命令を出せるようになるのが柱だ。近く地銀を対象に収益力を一斉点検する方針という。

     本誌は、地銀の収益力を測る指標として、総資産に対するコア業務純益の比率を用い、全104行をランキングした(表)。この比率は「総資産収益率(ROA)」に当たり、表では「収益力(ROA)」と表記した。

     トップのスルガ銀行は、投資用不動産向け融資で高い収益性を誇ったが、書類の改ざんや偽造といった不正が判明。金融庁が昨年10月に一部業務停止を命じた。4月に解除されたが、地銀の「優等生」と言われた高収益モデルは足元から揺らぎ、経営危機を救う「支援者探し」が進んでいる(27ページ参照)。

     2位の足利銀行はコア業務純益を18年3月期から9%増の388億円としたが、うち99億円は投資信託の解約益で賄った。コア業務純益はこうした投信解約益を含むが、金融庁は5月末、解約益を除いた額で銀行の収益性を図る方針を示している。

     3、4位にランクインした徳島県の二つの地銀は「越境融資」を拡大させている。

    「越境」で貸し出し増

     徳島銀行は2月、東京都内で4店舗目の池袋支店(豊島区)を開いた。それまでも蒲田(大田区)や亀戸(江東区)といった中小企業が多い地域に支店を設け、融資営業を強化。実際、19年3月末時点の東京都内の貸出金残高は1532億円と、1年前から13%も伸び、収益の柱の一つになっている。

     阿波銀行も、東京や神奈川で中小企業への融資営業を強化。関東地区での19年3月期の貸出金残高(平均残高)は前期比4%増の2257億円で、伸び率は地元の徳島県内や関西よりも大きかった。

     一方、収益力が最下位となった島根銀行は、104行で唯一、コア業務純益が3億8900万円の赤字。17年3月期に赤字転落して以来、3年連続だ。17年に新築した本店ビルの減価償却費も重くのしかかり、厳しい局面にある。

     地銀が生き残るための「持続可能なビジネスモデル」(金融庁)とは何か。経営効率化のため合併・統合は進むだろう。ただ、地銀のあり方は問われ続ける。政府は地銀による企業への出資規制を一部緩和する方針で、新たに業務を広げて「稼ぐ力」を高めていけるかも一つの試金石となりそうだ。

    (岡田英・編集部)

    (白鳥達哉・編集部)

    インタビュー

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    11月26日号

    食肉 大争奪16 豚肉が不足する中国の爆買い 世界の食肉市場を翻弄 ■三石 誠司20 世界の牛・豚データ 中国が牛肉も豚肉も爆食 ■編集部/監修・柴田 明夫22 アフリカ豚コレラは水際で防ぐ ■呉 克昌23 食肉関連15社 日ハム、不二製油、伊藤ハム米久 ■編集部25 混乱(1)TPP、日米貿易協定 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ PR

    最新の注目記事

    ザ・マーケット