産業振興は「補助金改革」から=高橋賢
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管理会計で補助金事業の点数化を
地域経済の自律的発展を目指した取り組みの一つとして「産業クラスター」の形成がある。産業クラスターとは、相互に関連し合う産業群において、地理的に近い企業群、大学・研究機関、産業支援機関、ネットワーク組織、技術移転機関・産学連携仲介機関、専門家群といった組織が、それぞれの地域が有している魅力を誘因として集まったものである。企業が集まった単なる産業集積地とは異なり、地域にあるさまざまな資源を有機的に結びつけて、イノベーション(技術革新)や新たな産業を興そうという取り組みである。産業クラスターが形成されることによって、地域に企業や研究機関が誘致され、新しい産業が興り、雇用が増え、経済が活性化し、税収の増加も見込まれる。
産業クラスターは、米シリコンバレーのように自然発生的に形成されたものもあれば、政策的に形成されたものもある。現状では、世界各国で産業クラスター形成のための政策が行われている。例えば、フランスでは国を挙げての省庁横断型の取り組みとして、競争力拠点政策という産業クラスターの政策が展開されている。経済のグローバル化が進み、1企業・1組織の力では国際競争に負けるどころか競争の舞台にも上れない。そういった…
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週刊エコノミスト
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