女性が活躍する機会の拡大が成長に=宮本弘暁
有料記事
性別によらない機会の公平性確保を
世界が取り組むべき大きな課題として、女性のエンパワーメント(活躍機会の拡大など)の促進がある。女性が活躍する機会を広げることは、倫理的な配慮や社会的公平性の観点から大切だから、というだけではない。経済の成長と安定の観点からも女性のエンパワーメントは重要だからだ。
国際通貨基金(IMF)は2018年10月に発表した研究で、女性の労働参加を促進すると、これまでの想定以上に経済成長に大きく寄与することを明らかにしている。データから女性と男性とが生産プロセスにおいて補完しあうことで経済的利益を生み出すことが読み取れた。この結果は、女性の労働参加は単に労働者数の増加で経済の成長を高めるだけにとどまらないことを意味している。
効果を生み出す最大の理由は、男性と女性との間には職場で発揮する能力やもたらす視点が異なるからだ。例えばリスクに対する姿勢は、男性が積極的なのに対し、女性は回避しようとする傾向がある。また女性の存在は、ピリピリした職場の雰囲気を和らげる効果があり、生産活動にプラスの効果をもたらす。
残り2281文字(全文2749文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める