経済・企業学者が斬る・視点争点

サイボウズに見る働き方の教訓=稲水伸行

    (出所)里政幸氏の資料を基に筆者作成
    (出所)里政幸氏の資料を基に筆者作成

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     近年の「働き方改革」の流れを受け、企業などでは多様な働き方の実現が喫緊の課題となっている。中には働き方改革が奏功し経営に好影響を及ぼすに至った企業も少なからずある。そうした企業の取り組みは他の企業にとって一つの指針となる可能性が高い。

     そこで筆者は働き方改革に積極的な企業の一つ、サイボウズ社の取り組みについて、里政幸氏(筑波大学大学院博士課程)、生稲史彦・筑波大学准教授とともに調査したところ、同社では徹底して社員の立場に立った人事制度改革を、絶え間なく実行していたことが分かった。

     サイボウズは「グループウエア」、すなわち、“組織の内部でのスケジュールなどの共有やコミュニケーションを目的としたソフトウエア”の大手企業だ。経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」の「東京ワーク・ライフ・バランス認定企業」にも選ばれた。同社が働き方改革に乗り出したのは、急成長後に離職率が高まり、経営に深刻な影響を及ぼすまでになったからだ。

     サイボウズは、1997年から2001年の創業期にグループウエア事業を成長軌道に乗せた。01~06年の事業拡大期は積極的にM&A(合併と買収)も仕掛け、売上高は100億円を超える規模になった。

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