新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online 学者が斬る・視点争点

人口減少時代の管理会計の役割=高橋賢

(出所)内閣府「平成30年度 年次経済財政報告」
(出所)内閣府「平成30年度 年次経済財政報告」

既存ツール活用し利益最大化

 固定費の管理と削減は、企業にとって長らく課題となってきた。この問題は不況期において企業経営への圧迫が顕著になるものであり、特に、人件費の問題は企業の規模を問わず悩ましい問題となっていた。その処方箋として、期間工や派遣社員の活用による固定費の変動費化(正確には回避不能費の回避可能費化)や、リストラによる人件費の削減などが行われてきた。これらの施策は、固定費のサイズの可変化や削減によって企業規模を柔軟化し、経営体質を強化することが目的であった。簡単に言うと、出ていくものを減らすことで実入りを多くする、という発想である。「減らす」ということそのものが目的であったといってもよい。このために、さまざまな管理会計手法が駆使されてきた。

 しかしながら、「人を減らす」ということを企業が能動的にできていたのは、2010年ごろまでの話である。昨今では、「人が減っている」というのが現状である。減らさなくても人が自然に減ってきている、ということである。そうであれば、もうリストラなどの策に頭を悩ますことはなくなり、企業にとってはラッキーなことなのか? 決してそうではない。

残り2319文字(全文2813文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事