週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

長寿化社会こそ流動的な労働市場=宮本弘暁

長寿化した社会では働く期間も長くなり、キャリアを変更する可能性も高まる(Bloomberg)
長寿化した社会では働く期間も長くなり、キャリアを変更する可能性も高まる(Bloomberg)

「適材適所」で働き続ける仕組みを

 2018年の日本人の平均寿命は、女性が87・32歳、男性が81・25歳で、いずれも過去最高を更新した。前年に続き女性は世界2位、男性は世界3位だった。

 長寿化は喜ばしいが、同時にさまざまな課題をはらむ。老後の生活資金をどう賄うかもその一つだ。今年6月に金融庁の金融審議会がまとめた報告書で、夫婦が95歳まで生活するには、公的年金以外に2000万円の金融資産が必要、としたことが大きな波紋を呼び、7月の参院選の争点にもなった。

 長寿化は「個人がどのように人生を設計していくか」という問題を全ての世代に突きつける。これまで、日本人のライフコース(キャリアなど)は、高校や大学卒業後に就職して一つの企業で定年まで働き、退職後は余生を過ごすのが一般的だった。新卒一括採用や終身雇用、年功序列型の賃金などの日本的雇用システムはそのようなライフコースを支え、戦後の日本の成長に貢献してきた。

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