経済成長はなぜ必要なのか=小林慶一郎
環境・資源の制約なく「成長」は可能か
地球環境や人間世界の持続性を考えるとき、経済成長が現代社会の目標として我々のコンセンサスになっていることは素朴に不思議である。
私は大学院まで理科系の学生だったので、経済学や経済政策の議論で「2%成長」のように永久に経済が成長する社会が理想とされることに、当初はひどく違和感を覚えた。地球上の資源やエネルギーは有限なのだから、生産量やエネルギー消費が永久に成長を続けることは不可能だ。
たとえば国内総生産(GDP)が年率2%で成長し続ければ、1000年後には、現在の4億倍という非現実…
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週刊エコノミスト
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