教養・歴史書評

『待機児童対策 保育の充実と女性活躍の両立のために』 評者・小峰隆夫

     女性の子育てと就業の両立を図ることは、少子化対策の中心的課題である。しかし、希望する保育所に入れない待機児童が発生しているということは、その中心的課題がうまく処理されていないことを示している。本書は、その待機児童が発生するメカニズムを探り、現実的な解決策を提案しようとするものだ。

     待機児童問題は優れて経済的な問題である。待機児童の存在は、保育サービスへの需要が供給を超過し、それが調整されていないことを示している。普通の財・サービスでは、価格が調節するのでこんなことにはならない。本書を読むと、なぜ保育については超過需要が発生してしまうのかが分かる。

     本書の第1部では、八田氏が聞き手となって、革新的な民間事業者への、第2部は同じく革新的な取り組みをしてきた自治体へのインタビューが収められており、第3部で保育政策への提言が示されている。

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