新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

『待機児童対策 保育の充実と女性活躍の両立のために』 評者・小峰隆夫

編著者 八田達夫(アジア成長研究所理事長) 日本評論社 2200円

需給調整を困難にする既得権益構造を指摘、提言も

 女性の子育てと就業の両立を図ることは、少子化対策の中心的課題である。しかし、希望する保育所に入れない待機児童が発生しているということは、その中心的課題がうまく処理されていないことを示している。本書は、その待機児童が発生するメカニズムを探り、現実的な解決策を提案しようとするものだ。

 待機児童問題は優れて経済的な問題である。待機児童の存在は、保育サービスへの需要が供給を超過し、それが調整されていないことを示している。普通の財・サービスでは、価格が調節するのでこんなことにはならない。本書を読むと、なぜ保育については超過需要が発生してしまうのかが分かる。

残り807文字(全文1140文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事