経済・企業エコノミストリポート

ムーディーズ トップ企業で続く異例の格下げ 政府格付けを超えた会社に集中=廣瀬和貞

「Aa3」から「A1」への格下げが相次いだムーディーズ(Bloomberg)
「Aa3」から「A1」への格下げが相次いだムーディーズ(Bloomberg)

 2019年に入り、日本のトップ企業の「格下げ」が相次いでいる(表1)。といっても、日本で活動する複数の格付け会社のうち、下げたのは米国系のムーディーズだけである。一連の格下げはいくつかの意味で異例だ。

 一つ目は、下げたのがJR東海、キヤノン、JT、NTTといった極めて高い格付けの企業ばかりであることだ。

 格付けとは、企業が社債や借入金を返済する能力(信用力)を格付け会社が評価したものだ。具体的にはその企業が事業によって生み出すキャッシュフローの安定性と財務構成の強さが評価される。「Aa3」は、21段階ある格付けのうち最上位から4番目という極めて高い水準だ(表2)。

残り3259文字(全文3545文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事