米長短金利逆転はうのみにできない=愛宕伸康
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米国では、短期金利が長期金利を上回ると1年後に景気後退が来ると言われている。このことは、次のように説明できる。
米国では景気拡大が続くと、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを比較的きちんと行うため、短期金利がハイペースで上昇する。一方、長期金利は利上げによる景気減速を織り込んで短期金利より早く低下に転じるため、やがて長短金利は逆転する。その後、景気後退が見えてくるとFRBが利下げに転じ、短期金利が急速に低下する一方、長期金利は景気回復を加味して早めに上昇に転じるため、再び短期金利より長期金利の方が高いという正常な姿に戻る──。
実際、今年3月22日に3カ月物金利が10年金利を上回り、景気後退懸念が強まることとなった。ニューヨーク連銀が10年金利と3カ月物金利から算出している景気後退確率も6月は32・9%と、統計的に1年後の景気後退が確実という閾値(しきいち)(29・7%)を超えた(図1)。こうした中、市場は利下げを催促し、FRBは7月に10年7カ月ぶりの利下げで応えようとしている(7月26日執筆時点)。米国の株価はそれ…
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週刊エコノミスト
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