新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

国際・政治 独眼経眼

米長短金利逆転はうのみにできない=愛宕伸康

 米国では、短期金利が長期金利を上回ると1年後に景気後退が来ると言われている。このことは、次のように説明できる。

 米国では景気拡大が続くと、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを比較的きちんと行うため、短期金利がハイペースで上昇する。一方、長期金利は利上げによる景気減速を織り込んで短期金利より早く低下に転じるため、やがて長短金利は逆転する。その後、景気後退が見えてくるとFRBが利下げに転じ、短期金利が急速に低下する一方、長期金利は景気回復を加味して早めに上昇に転じるため、再び短期金利より長期金利の方が高いという正常な姿に戻る──。

 実際、今年3月22日に3カ月物金利が10年金利を上回り、景気後退懸念が強まることとなった。ニューヨーク連銀が10年金利と3カ月物金利から算出している景気後退確率も6月は32・9%と、統計的に1年後の景気後退が確実という閾値(しきいち)(29・7%)を超えた(図1)。こうした中、市場は利下げを催促し、FRBは7月に10年7カ月ぶりの利下げで応えようとしている(7月26日執筆時点)。米国の株価はそれ…

残り621文字(全文1089文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事