週刊エコノミスト Onlineアートな時間

映画 ブラインドスポッティング=芝山幹郎

「ブラインドスポッティング」
「ブラインドスポッティング」

快調なペースと音感のよさ 不調和の部分も隠さずに描く

 快調なペースで話が進む。きびきびしていて、音感のよさが端々から感じられる。厄介な問題を扱いながら、重苦しくもたれたりしない。

「ブラインドスポッティング」(2018)の魅力は、開巻早々に伝わる。監督は、メキシコ生まれのカルロス・ロペス・エストラーダ。舞台はカリフォルニア州オークランド。主人公は黒人と白人の若者ふたり。幼馴染の彼らは、ブルーカラーの街の空気を吸い込んで育った。スラング、暴力、犯罪もごく身近だ。

 それなら……と思う方は少なくないかもしれない。図太い若者が度胸を頼りに裏通りをのし歩き、世間の風に立ち向かっていく映画なのか、と。

残り893文字(全文1190文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事