映画 ブラインドスポッティング=芝山幹郎
有料記事
快調なペースと音感のよさ 不調和の部分も隠さずに描く
快調なペースで話が進む。きびきびしていて、音感のよさが端々から感じられる。厄介な問題を扱いながら、重苦しくもたれたりしない。
「ブラインドスポッティング」(2018)の魅力は、開巻早々に伝わる。監督は、メキシコ生まれのカルロス・ロペス・エストラーダ。舞台はカリフォルニア州オークランド。主人公は黒人と白人の若者ふたり。幼馴染の彼らは、ブルーカラーの街の空気を吸い込んで育った。スラング、暴力、犯罪もごく身近だ。
それなら……と思う方は少なくないかもしれない。図太い若者が度胸を頼りに裏通りをのし歩き、世間の風に立ち向かっていく映画なのか、と。
残り893文字(全文1190文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める