週刊エコノミスト Online書評

元号と政治は無縁でない 時々刻々の舞台裏明かす=井上寿一

     新元号「令和」の発表はぎりぎりまで、毎日新聞「代替わり」取材班『令和 改元の舞台裏』(毎日新聞出版、1000円)によれば、正確には13秒前まで情報は秘匿された。記者会見室の最前列の記者たちには、会見台の上に置かれた額の前方がわずかに上がり、文字が見えたからである。しかし13秒ではスクープとして報道することはできなかった。

     歴史をさかのぼれば、「大正」への改元は新聞がスクープに成功した。「昭和」の時は誤報事件が起きた。東京日日新聞が号外で「光文」と報じた。号外から2時間強たったあと、枢密院の会議が元号は「昭和」と認め、スクープは誤報となった。このような前例を踏まえれば、今回の措置は当然だった。

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