増税前の景気冷え込みで日本株出遅れ=藤代宏一
日本列島が連日の猛暑に見舞われるなか、国内景気の肌寒さは厳しさを増している。人々が肌で感じる景気を示す消費者態度指数と景気ウオッチャー調査(街角景気)は双方とも著しい低下基調にあり、水準は2014年4月の消費増税時と同程度まで低下している(図1)。
7月の記録的日照不足、老後生活資金2000万円問題などの一過性要因によって弱さが誇張されている可能性はあるが、根本的理由は、賃金が増えにくいなかで消費増税を控え、消費者が生活防衛意識を強めていることにあるといえるだろう。実際、景気ウオッチャー調査のコメントには「消費増税」という単語が頻出している。
こうしたマインド指標の悪化をよそに、4~6月期の個人消費は「令和」への改元に伴う10連休の効果や消費増税の駆け込み需要(主に耐久財)といった特殊要因によって増加傾向にあったが、人々が体感する景気が悪いなか、先行きの消費が伸びていく姿は描きにくい。10月以降は消費増税の駆け込みの反動と相まって弱さが目立ちそうだ。
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週刊エコノミスト
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