香港「200万人デモ」 八方塞がりの北京は静観 追い詰められる若者たち=倉田徹
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香港では、中国司法当局への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する市民によるデモが続いている。
改正案の審議は既に停止しており、来年夏の立法会(香港の議会)会期末には、審議未了で廃案になるのは確実である。しかし、6月9日の「103万人デモ」に端を発したデモや集会は7月以降、毎回のように警察との衝突で負傷者を出すなど激しさを増している。8月5日のゼネストや、12~13日の空港デモでは、域内交通や航空便がまひ。18日には「170万人デモ」も発生し、市民の怒りは収まっていない。
なぜデモは沈静化しないのか。背景には、北京(中国中央政府)が事態への対応方針を明確にできないこと、デモがエスカレートしても暴力化を嫌う民意が強くならないことがある。その間にも、中国・香港・台湾では重要な政治日程が迫っている。
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週刊エコノミスト
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