銀行株下落が示す資本主義の末路=市岡繁男
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金融庁によると、全国の地銀105行のうち、2019年3月期に顧客向けサービス業務が2期連続の赤字は45行、5期以上の連続赤字は27行もあるという。こうした惨状は株価にも反映されている。筆者の調べでは、上場銀行(09年以降、合併などで連続性を失ったものを除く)61行中、リーマン・ショック時の安値を下回る銀行は50行に上り、うち7行は半値未満に沈む。09年3月の平均株価が7000円台だったことを思うと、株主の打撃は大きい。
かくも株価が下落した理由は、13年からの日銀の量的緩和政策で銀行の利ざやが縮小したからだ。長短金利差の縮小に伴って銀行株指数(相対ベース)が下落している様は明確である(図1)。
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週刊エコノミスト
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