教養・歴史著者に聞く

著者に聞く 『「差別はいけない」とみんないうけれど。』 著者・綿野恵太さん 批評家

     セクハラ、パワハラ、ヘイトスピーチ──。ほとんどの人は「差別はいけない」と認めるが、それでも差別は一向になくならない。ツイッターなどSNS(交流サイト)では、発信された内容が「差別だ」として“炎上”することもしょっちゅうだ。そして、「差別はいけない」ということに反発や反感を覚える人すらいる。

     こうした状況を「ポリティカル・コレクトネス」(ポリコレ)というキーワードを軸に考えたのが、『「差別はいけない」とみんないうけれど。』である。

     ポリコレは「政治的公正」と訳されるが、その意味は実はあいまいだ。現代では「差別に反対する言説や運動」と捉えられ、2016年の米大統領選でトランプ氏が初当選した際には「ポリコレの敗北」とも言われた。それでも、いまや誰でも差別を批判できる時代になったことは間違いない。本書は「差別はいけない」という大前提に立った上で、人々が「自分は本当に差別をしていないか」と省みることなく差別者を批判している現状を問…

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