中国の資産運用業界ではようやく、銀行や投資信託会社、証券会社といった各金融機関が競争する環境が整ってきた。

　資産運用業界は２０１０年前後から、主に銀行が規制回避のために迂回(うかい)融資をする「シャドーバンキング」（影の銀行）により、リスクを内包しながら急拡大した。本来リスクが高いはずの高リターン商品が、暗黙の元本保証を前提に、リスク許容度の低い個人投資家にまで広く販売されてきた。

　こうした異常な状態を正常化し、金融リスクが積み上がるのを防ごうと、監督当局は18年４月、「金融機関の資産管理業務の規範化に関する指導意見」（指導意見）を発表。金融機関による資産運用商品（理財商品）の元本保証を禁止し、リスクは投資家が負うものと確認した。