豪捜査線に習氏のいとこ 中豪「スパイ」摘発合戦=金子秀敏
有料記事
米紙『ウォールストリート・ジャーナル』の北京支局で勤務していたシンガポール籍の記者が8月末、中国を去った。中国外務省が「悪意ある報道をした」と記者ビザの延長申請を却下したためだ。
「悪意ある記事」とは、習近平国家主席の母方のいとこである斉明(チャイミン)氏が移住先のオーストラリアのカジノで巨額の賭け金を動かし、資金洗浄に関わった疑いがあるなどとして、オーストラリア情報当局が捜査しているというものだ。
「反腐敗闘争」で政敵を倒して権力を確立した習主席にとって、身内のスキャンダルは痛手だ。「悪意ある記事」という非難は、偽ニュースではないということだ。
残り1014文字(全文1289文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める