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豪捜査線に習氏のいとこ 中豪「スパイ」摘発合戦=金子秀敏

習氏のいとこが巨額資金を賭けたと報道されたカジノ(Bloomberg) 
習氏のいとこが巨額資金を賭けたと報道されたカジノ(Bloomberg) 

 米紙『ウォールストリート・ジャーナル』の北京支局で勤務していたシンガポール籍の記者が8月末、中国を去った。中国外務省が「悪意ある報道をした」と記者ビザの延長申請を却下したためだ。

「悪意ある記事」とは、習近平国家主席の母方のいとこである斉明(チャイミン)氏が移住先のオーストラリアのカジノで巨額の賭け金を動かし、資金洗浄に関わった疑いがあるなどとして、オーストラリア情報当局が捜査しているというものだ。

「反腐敗闘争」で政敵を倒して権力を確立した習主席にとって、身内のスキャンダルは痛手だ。「悪意ある記事」という非難は、偽ニュースではないということだ。

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