見えにくい米金利低下の副作用=渡辺浩志
米中の関税報復合戦が再燃している。米国の株式は売られ、長期金利は低下しているが、これは前回、トランプ大統領が対中追加関税をほのめかした今年5月初旬とよく似た動きだ。
前回の局面では、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「予防的利下げ」を示唆することで米株価はようやく上昇基調に戻った。つまりトランプ大統領の対中政策は、金融市場に波乱を起こすことでFRBに利下げを強要する作戦とも捉えられる。
今後、追加利下げが示唆されれば、米株価は上昇基調に戻りそうだが、長期金利は一段と低下しそうだ。そこで考えておくべきは、金利低下の副作用である。
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週刊エコノミスト
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