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舞台 天竺徳兵衛韓噺 四世鶴屋南北の出世作 充実の中村芝翫が徳兵衛に挑戦=小玉祥子

天竺徳兵衛を演じる中村芝翫(写真提供 国立劇場)
天竺徳兵衛を演じる中村芝翫(写真提供 国立劇場)

江戸初期に東南アジア諸国をまわり、その見聞録を残した実在の商人をモデルにした四世鶴屋南北作の「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」が、中村芝翫(しかん)の主演により、10月の東京・国立劇場で通し上演される。

 史実の徳兵衛は、鎖国前に朱印船で天竺(インド)に渡った人物だが、芝居では妖術を使う怪人として描かれる。徳兵衛を題材にした人形浄瑠璃や歌舞伎は数多くあるが、その決定版と言えるのが今回上演の南北作品で文化元(1804)年に江戸で初演された。

 徳兵衛を演じたのは初代尾上松助。早変わりなどの仕掛けに満ちた舞台は評判となり、あまりの見事さから「切支丹バテレンの妖術」ではないかとうわさが立ち、奉行所が検分に訪れた。だが、そのうわさも実は宣伝のために南北と松助がわざと流したものと伝えられる。南北が、まだ前名の勝俵蔵(かつひょうぞう)を名のる時代で、後に「東海道四谷怪談」を発表する彼の出世作ともなった。

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