クラシック 第10回〈オペラ・フェスティバル〉=梅津時比古
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オペラ・ファン待望の豪華公演 ついに先行予約開始
日本のオペラファンの歴史にとって大きな転換点になったのが 、1987年のワーグナー「ニーベルングの指環」全曲日本初演である。ベルリン・ドイツ・オペラによる引っ越し公演として行われた全4夜の公演は、ゲッツ・フリードリヒによる「読み直し」(現代の視点から再解釈)の演出、ルネ・コロなどの超一流歌手陣によって、ファン、音楽関係者に世界観が変わるような衝撃を与えた。
当時の日本の多くの聴衆は「読み直し」の何たるかをあまり知らず、長大な地下トンネルが出現する舞台に、ワーグナーのト書きと異なるこのような演出は良いのか、と議論が沸騰した。現在では、日本でも「読み直し」の演出は一般的で、誰もそのことに驚かないだろう。「ニーベルングの指環」を初めに、先進的なオペラ受容をリードし、日本に本質的なオペラブームを定着させてきたのが、日本舞台芸術振興会(NBS)が企画した「オ…
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週刊エコノミスト
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