アフリカ TICAD報道の違和感=小泉大士
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3年ぶりにアフリカ開発会議(TICAD)が開催された。市場規模と将来性に焦点を当てる報道が目立ったが、違和感を覚えるものもあった。たとえば、中国の取り上げ方だ。
NHKのニュースは、「日本が進出するうえで立ちはだかるのが中国」と説明した。しかし、対アフリカ直接投資残高が最も多いのはフランス。オランダ、米、英が続き、中国は5位。中国の存在感は増しているが、突出しているわけではない。日本はトップ10にも入っていない。
前回会議で安倍晋三首相が表明した官民総額300億ドル(約3・1兆円)の投資についても、外務省は「ほぼ達成」とした。昨年10月時点では約160億ドルにとどまっていた。いつの間に増えたのかと思えば、集計方法が変更されていた。アフリカに送られた額から投資先の売却益などを差し引くのではなく、送られた額だけを集計したのだという。従来の計算では208億ドルとなり、政府の旗振りによって民間投資が急増したわけで…
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週刊エコノミスト
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