週刊エコノミスト Online書評

移民、裏方さん……群像劇の魅力を味わう=ブレイディみかこ

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     人の脳には嫌な経験を忘れる機能があるのか、はたまた老化で忘れっぽくなっているのか、さまざまな記憶がよみがえってきた読書体験がある。『よい移民 現代イギリスを生きる21人の物語』(ニケシュ・シュクラ編、創元社、2400円)の原書を読んだときだ。

     実は数カ月前、選書フェア用に原書のほうを選んだのだったが、まさか今年、日本語訳が出たとは知らなかった。2016年に英国で出版されベストセラーになった本だ。その邦訳版がすでに発売されているという事実が、「移民」というテーマへの関心の高さを示している。

     本作は、21人の1970年代以降に生まれた移民2世・3世の人々が、自分たちの差別された経験や、いまだ偏見の残る社会への怒りや、個人的な心情をつづったエッセー集だ。

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