週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

「健康経営」の評価システム必要=金藤正直

「戦略マップ」で活動を可視化

 日本の高齢化率の高まりは今後もしばらく続き、世界で最も高くなることが内閣府の「高齢社会白書」(2019年)に示されている。また、国民医療費は増え続けており、一方で生産年齢人口は減少している。このため、企業では、従業員の健康保持や健康増進にこれまで以上に主体的かつ積極的に関与し、健康保険料の上昇に伴う負担増加や、疾患リスクの上昇による生産性の低下を防ぐことが経営上の課題の一つとなっている。

 企業のこうした課題に対応しようと、経済産業省が中心となり、14年から「健康経営」を支援する取り組みを進めている。経産省の定義によれば、健康経営とは「従業員の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性などを高める投資であるとの考えのもと、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」とされている。従業員の仕事へのやる気や満足度を高め、結果として生産性や業績、企業価値の向上につながることが期待…

残り2074文字(全文2484文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事