クラシック 東京交響楽団 2020年度「名曲全集」=梅津時比古
有料記事
知られざるベートーベンを新進気鋭のピアニストが演奏
各オーケストラが2020年のシーズン・プログラムを発表する時期である。それぞれに腕によりを掛けていて、聴き応え十分。たとえば読売交響楽団は、新たに指揮者/クリエイティヴ・パートナーに就任した気鋭の鈴木優人が、シューベルトとベリオに鮮烈な視点をもたらすことが予想される。
どの楽団にも、いわゆる名曲シリーズ的なものがある。これは多くの人にクラシック音楽になじんでもらおうという企図の下に、よく知られたベートーベン《運命》や、チャイコフスキー《悲愴》などを核に据えて、聴きやすい日時、料金を設定するものである。2020年のシーズンの名曲シリーズを見てみると、東京交響楽団のものが断然、面白い。プログラム、出演者ともに素晴らしく充実した企画で、単なる名曲シリーズをはるかに超…
残り850文字(全文1210文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める