週刊エコノミスト Online書評

『解読 ウェーバー 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」』 評者・服部茂幸

     マックス・ウェーバーの主著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(以下『プロ倫』)は社会科学の古典の一つである。しかし難解な『プロ倫』が何を主張しているのか、その主張は実証されうるのかという基本的なところが、今でも論争の的である。その『プロ倫』の論理を解剖したのが本書である。

     本書は『プロ倫』のプロテスタンティズムの倫理には二つの要素があると言う。一つは神のために人間の生活を合理的に編成するというものである。この考えはカルバン派に代表される「二重予定説」(救われる人間と救われない人間の両方を神はあらかじめ決めているという神学的主張)から派生したものである。

     もう一つが自由な個人が自発的に組織を作るという教会組織のあり方に関わるものである。こちらは「洗礼主義」(特にクエーカー派)から派生する。しかし、この双方を同時に主張するプロテスタント宗派は実際には存在しない。

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