香港、議会審議経ずに覆面禁止 乱用で個人の権利制限に懸念=坂東賢治
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香港から中国への犯罪容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に対する反対運動に端を発した香港の混乱は、6月の大規模デモ以降4カ月を過ぎても収拾の見通しがつかない。
香港の林鄭月娥行政長官は10月4日、緊急状況規則条例(緊急法)に基づきデモ参加者が顔を隠すことを禁じる覆面禁止法を施行すると発表した。デモ隊の過激化を抑制する狙いだが、「火に油を注ぐ」(10月4日英BBC)という批判も強い。
香港の有力紙『明報』は社説(10月5日)で警察とデモ隊の暴力の応酬がエスカレートしていることに憂慮を示した。その上で「少なからぬ西側の国にも覆面を禁止する法令がある」「身分を隠すことが暴力を助長しているという意見もある」と覆面禁止に一定の理解を示した。
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週刊エコノミスト
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