米が中国企業の上場廃止検討 投資制限で「狙い撃ち」に賛否=岩田太郎
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トランプ米政権が、米証券取引所に上場している中国株の上場廃止を検討していることが9月下旬に報じられた。米当局はこれを否定したが、米中貿易戦争が激化する中、将来の実施の可能性が残るとされ、その意義が議論されている。
1991~97年に米連邦準備制度理事会(FRB)理事を務めたラリー・リンゼー氏は10月3日に出演した米経済専門局CNBCの番組で、「米国の中国に対する関税引き上げが(通商上の譲歩を引き出せない一方で米国にも損害が生じ)コストに見合わないと認識される中、中国企業に対する米投資を制限することは賢明な方策だ」と述べた。同氏はさらに、「米投資信託や年金基金のマネーが、米企業並みの金融透明性が確保できていない中国企業に流れるのは、消費者保護の観点から誤っている」との見方を示した。
米経済ニュースサイト「マーケットウオッチ」は9月29日の記事で、「米議会に設置された米中経済・安全保障問題検討委員会が1月に集計したところでは、計156の中国企業が米国証券市場に上場しており、その時価総額は米市場全体43兆ドル(約4607兆円)のうち、1兆2000億ドル(約129兆円)にも上る」と説明した。
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週刊エコノミスト
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