英首相と議会の深い亀裂 欧州諸国「離脱の混乱は茶番」=熊谷徹
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英国の欧州連合(EU)離脱で、欧州論壇は「ジョンソン首相がEUとの離脱協定案の修正に合意したことは大きな前進」としながら、先行きは不透明という見方を強めている。
英BBCは、10月17~21日付電子版で「英国政府は離脱協定の難関となっていた、英領北アイルランド地区と(EU加盟の)アイルランド共和国との国境問題をめぐってEUと合意した」と報じた。BBCは「合意のポイントは、関税検査を二つの地区の間ではなく、英国本土に面したアイルランド島の東海岸で実施する点だ。英国から送られた物資には、東海岸での陸揚げ時に一律に関税がかけられる。しかし北アイルランド向けの物資については、輸出企業は関税の還付を受ける。これによって北アイルランド地区とアイルランド共和国の間で関税検査が行われて物流が滞ったり、島が分割されたりする危険は減った」と指摘した。
また、「これまでの協定案が、英国全体をEUの関税同盟にとどめると規定していたのに対し、新合意は北アイルランド地区だけをEUの関税同盟に残留させることにした。さらに、2024年以降、北アイルランド議会がこの暫定措置を延長するかどうかを議決できることにした」と解説した。
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週刊エコノミスト
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