映画 国家が破産する日 史実をベースにヒロイン降臨 経済危機スリリングに描く傑作=寺脇研
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この映画ばかりは、映画評論家のわたしより本誌読者の皆さんの方が理解度が高いはずである。出てくる経済関係用語で、外貨準備高、IMFくらいはなんとかわたしにも解(わか)るが政策金利あたりになると怪しくなり、ロールオーバー、与信、通貨スワップ、ジャンクボンドとなるとお手上げでGoogleのお世話になるしかない。
でも、国家が破産する危機の重大さは、映画の展開から十分伝わってくる。冒頭、1990年代韓国の経済繁栄がドキュメント風に示され、96年、日本に次ぎアジア2番目のOECD加盟国となった栄光が描かれるのだが、1年後に一転、奈落へと堕(お)ちていく。中央銀行である韓国銀行の総裁が深刻な通貨危機に初めて気づいたときには、国家破産に至る日まであとわずか7日間しかなかったのだ。
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週刊エコノミスト
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