高齢者1人当たり雇用者所得が増加=斎藤太郎
企業の人手不足感が強まるなか、雇用者数は女性、高齢者を中心に増加している。雇用者数は2013年から18年までの6年間で432万人増加したが、そのうち236万人、半数超を65歳以上の高齢者が占めている。15~64歳では、男性が9万人減少しているのに対し、女性は205万人増加している。
高齢者はパートタイムや嘱託など非正規の雇用形態で働く人が多いこともあり、相対的に賃金水準は低いが、雇用者数が大幅に増加したことにより、高齢者の雇用者所得は大幅に増加している。
厚生労働省の「賃金構造基本統計」「毎月勤労統計」、総務省統計局の「労働力調査」を基に年齢階級別の雇用者所得(1人当たり賃金×雇用者数)を試算したところ、18年の雇用者所得は全体では00年とほとんど変わっていないにもかかわらず、60~64歳では1・7倍、65歳以上では2倍以上に増えている(図1)。
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週刊エコノミスト
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