「水産エコラベル」浸透しない日本=小川健
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東京五輪では国内基準を採用
水産資源の枯渇が叫ばれて久しい。日本でもなじみの深い太平洋クロマグロやニホンウナギは既に絶滅危惧種であり、今年「不漁」と報じられたものだけでも、カツオやサンマなどの身近なものを含め、数多くある。豊洲市場の三代目仲卸・生田與克氏の著書『あんなに大きかったホッケがなぜこんなに小さくなったのか』は、乱獲により居酒屋のホッケが小さくなったことを広く周知させたとして、関係者に衝撃を与えた。
いま水産業で必要とされているのは、資源の管理だ。消費者が水産資源の保護に配慮した商品かどうかを見分ける判断材料の一つに、水産エコラベルがある。天然漁業では英国発祥の水産エコラベルである「MSC」、アイスランドの「責任ある漁業プログラム(IRF)」などが知られる。養殖では、周囲の環境や餌などへの配慮を示す米国発の「BAP」、オランダに拠点のある水産養殖管理協議会の「ASC」やドイツの「Global…
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週刊エコノミスト
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