英EU離脱を問う総選挙 ブレグジット党が台風の目に=増谷栄一
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英下院は10月29日、ジョンソン首相が提出したクリスマス前の12月12日を投票日とする早期総選挙法案を438票対20票の大差で可決し、英国は一気に総選挙モードに入った。
総選挙には今の絶対多数の政党がいないハングパーラメント(宙ぶらりん議会)の状況から抜け出し、与党・保守党による単独過半数政権を復活させることにより、ベン法(離脱日延期法)に従ってEU(欧州連合)離脱日を断腸の思いで10月末から2020年1月末に延期を余儀なくされたEU離脱を今度こそ完遂させたいというジョンソン首相の願いが込められている。
ジョンソン首相が総選挙を選択したのは、メイ前首相のEU離脱協定(旧協定)に代わる新離脱協定が10月17日にEUと最終合意したものの、10月末の離脱日前の議会通過が困難となったためだ。労働党や自民党、SNP(スコットランド国民党)などEU残留を支持する野党に加え、ジョン・バーコウ下院議長(元保守党議員)までもがノーディール・ブレグジット(合意なしの離脱)阻止を狙った巧みな離脱延期戦術を繰り広げた。
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週刊エコノミスト
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